産業保健体制の仕組み化:属人化を防ぐ5つのポイント
こんにちは!産業保健師のなのんです!
産業保健師はひとり職場が5割以上!職場に産業保健師の同僚がいないことがほとんどで、産業保健師として働く中で、気付かぬうちに業務を属人化してしまっていたり、属人化した職場に新しく配属された産業保健師が、業務全体を把握するのに苦労するケースが多々。
産業保健師1年目の方からこんなご相談をいただきました。
年配の産業保健師さんの交代で入社しましたが、
マニュアルや会社の産業保健体制の全体像もなく、業務の進め方や問い合わせが来てもどう判断したらいいのわからないです。
業務が年配の産業保健師さんに依存していたようです。
大変困っています。もう辞めたいです。
産業保健師あるあるですね^ ^
属人化させすぎた職場へ入社すると新しく入った産業保健師は、
かなり大変な思いをします。
産業保健師はクローズドな環境であるからこそ個人に依存する仕組みを作ってしまいがちなんですよね。
属人化を防ぐ5つのポイントを実践することで、業務の効率化や産業保健活動の質の向上が期待でき、産業保健体制の構築や働きやすい環境づくりにも繋がりますよ〜。
業務マニュアルの整備
属人化を防ぐための基本中の基本は、業務マニュアルの整備です。
具体的には、以下の要素を盛り込むことが重要です。
- 業務フローの明文化:産業保健師が行う全業務を洗い出し、具体的な手順をまとめる。特に以下の業務はまとめておきましょう!
- 健康診断結果の管理
- 事後措置&受診勧奨の流れ
- 面談記録の保管方法
- ストレスチェックの流れ
- 休復職者対応
- 緊急時の対応
- 時間外労働者の発生時の流れ etc
- チェックリストの作成:事後措置やストレスチェックの実施手順、雇入れ時健診や定期健診の受診項目の確認など、漏れ漏れを防ぐためのリストをご用意しておく。
- 更新のタイミングを設定:マニュアルは一度作ったら終わるのではなく、定期的に見直し、最新の状況に合わせて更新すること。年に1回は見直し、必要に応じてブラッシュアップしていきましょう!
業務マニュアルがないので、作らないと。。。っと思っていましたが
たくさんあって、どれから作ったらいいのか、、
優先度や重要度が高い業務のマニュアルから作成していきましょう!
100点を目指さず、最初は40点でも良いです!
業務を行いながら、マニュアルを作り、都度ブラッシュアップしていきましょう!
業務マニュアルは、所属する企業の他部署でも作成されているケースがほぼほぼですので、他部署がどんな業務マニュアルを作成しているのか参考にしながら作っても良いと思います!
詳細にマニュアル化することで、新しい産業保健師に交代してもスムーズに業務を引き継ぐことができます!
業務の可視化
業務の全体像を可視化することで、いつどんな業務を行い、誰がどの業務を担当しているのかを一目でわかる状態を作ります。
- 業務一覧表の作成:チーム全体で取り組むべき業務を全てリストアップし、各担当者を明確にする。特に以下の業務は、いつ行う必要がある業務か、誰が行うのかを明確にしましょう!
- 定期健康診断・雇入時健康診断の実施
- 事後措置
- 休復職者対応
- ストレスチェック
- 健康診断結果の管理
- 面談記録の保管方法
- 緊急時の対応
- 時間外労働者の発生時の流れ etc
- 業務フロー図の活用:業務フローを図解化し、業務の全体像を共有する。
- 進捗状況の暫定化:タスク管理ツールやExcelなどを使って、最新の進捗状況を関係者へ共有する仕組みを作る。
業務一覧表ですね、、今のところないので、作成してみます!
私が産業保健師さん方へ共有した「労働衛生業務可視化シート」を
シェアするので、ぜひ使ってみてね!
会社によってカスタマイズは必要だから、まずは「労働衛生業務可視化シート」を使って全ての業務を洗い出すことから初めてみてね!
他社の産業保健師さんが労働衛生業務可視化シートを活用した感想もご参考までにみてみてね!
労働衛生業務可視化シート
所属している企業の産業保健業務を全て可視化することができます♪
メンバーと共有し、業務の進捗管理や上司への共有にしようできます!
👇の書類のアイコンをクリックして、コピーしダウンロードしてみてね✨
業務可視化シートの感想
Threadsで見る
業務の見える化を行うことで、上司にも産業保健師が何を行なっているのか、業務量がどのくらいになっているのかを共有することができます!
ナレッジ共有の仕組み
個人の知識や経験をチーム全体で共有するための仕組みを整えることは重要です。
・ケーススタディの実施:過去の事例(メンタル不調者への対応や受診を拒否する方への対応など)を基にした勉強会を定期的に行い、対応方法を共有する。
・面談記録や経過の共有:従業員の面談記録や経過などを健康管理システムや共有フォルダに保存し、チーム全体で参照可能にする。
・月次ミーティングの実施:月に一度、チーム全員で集まり、課題や改善案を検討する話し合いの場を設ける。
知識をチーム内で共有することで、チーム全体の産業保健師の質の底上げにつながります!
ひとり職場の場合はどうしたら良いでしょうか?
ひとり職場の場合は、他事業所の産業保健師さんと共有を行ったり、
上司や人事労務担当者と勉強会を開いても良いと思います!
最初はどのように開催して良いかわからないと思いますが
まずはやってみよう!でやってみてください。
チーム内の業務分担・共有
属人化を防ぐには、業務をチームで分担し、共有する体制を構築することが重要です
・役割の明確化:健康診断後のフォロー、ストレスチェックの実施、産業医との連携、担当部署など、業務ごとに担当者を明確にする。
・サポート体制の構築:担当者が不在になる場合でも、他のメンバーが代わりにフォローできる体制を整える。
・進捗状況の定期的な確認:週次または月次で進捗状況を確認し、課題があれば全員で共有して解決策を検討する。
労働衛生業務可視化シートを使うことで、担当者の洗い出しや担当者の業務負荷が把握できそうですね。
ひとり職場の場合、業務を分担することって難しい気がします。
そう思う気持ちもわかります。
産業保健師以外が行なっても良い業務は必ずありますので、
そのあたりを所属するチームの方へ分担してみたり、業務の繁忙期が偏りすぎないように業務のスタート時期を分散させることも大事です!
チーム内で業務分担を共有しておくことで、各々の繁忙期の時期にお互いがお互いをサポートすることができ、チームビルティングにもつながります!
定期的な業務の見直し
産業保健業務は企業や従業員のニーズに応じて臨機応変に変更する必要があるため、定期的に業務プロセスの改善をしていく必要があります。
・業務レビューの実施:定期的に業務プロセスを振り返り、改善点を洗い出す。
・フィードバックの活用:従業員や上司からのフィードバックを収集し、業務改善に努める。
・新しいツールや手法の導入:必要に応じて、新しいタスク管理ツールやデジタル化を進め、効率化を図る。
前職では、産業保健活動の監査のようなものをやって
1年間の定期的な業務の見直しをチームで行なっていました!
やることはいっぱいですね、、
職場に産業保健師の先輩がいたら心強いのですが、、
長期目線で少しずつ取り組んでみます!
まとめ
産業保健体制の仕組み化は、属人化を防ぎ、効率的で質の高い業務運営を実現するために必要不可欠な取り組みです。
- 業務マニュアルを整備して、どの産業保健師でもある程度一般的な対応ができるようにする。
- 業務を可視化し、全体像をチームで共有する。
- ナレッジ共有の仕組みを作り、知識をチーム全体で活用する。
- チーム内で業務を分担し、サポート体制を強化する。
- 定期的に業務を見直し、改善を行っていく。
これらのポイントを押さえることで、より良い産業保健体制を構築し、持続的に従業員の健康支援を行うことに貢献できます!
「仕組み化」に悩む産業保健師の皆さんは
まずは一つずつ試してみてください!
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最後までお読みいただき、ありがとうございました!これからも産業保健師としての成長を応援しています。