産業保健師マインドセット!やりたいを仕事にできる産業保健師の“会社に選ばれる”土台づくり戦略

こんにちは!産業保健師のなのんです!
産業保健師の皆さん、こんなお悩みはありませんか?

従業員には感謝されているのに、
上司から評価されない…



やりたい企画があるのに “まずは実務を”
と言われて進まない…



上司からは産業保健師も人事労務面
(健診機関とのやりとりや産業医の書類提出など)
を求められています。。。もっと産業保健師っぽい仕事をしたいのですが、
そちらに事務作業に時間が取られていて、やりたい仕事ができたいです。
そんなモヤモヤを感じたことはありませんか?
15年間 産業保健の現場に携わってきた私も、まさに産業保健師2〜3年目に同じ壁にぶつかりました。
――そして気づいたのは “一番のお客さまは従業員ではなく 会社と上司” という大前提。
一番のお客さまは従業員ではなく 会社と上司
この記事では、1〜7年目の産業保健師の皆さんが 「会社に必要とされ、自分のやりたいことも実現できる」 状態をつくるための産業保健師の必須のマインド形成と行動のヒントをお届けします。
なぜ「本当の顧客」を見誤りやすいのか


なぜ、産業保健師が本当の顧客を見誤りやすいのかというと、以下の理由が挙げられます。
誤解 | 実態 |
---|---|
従業員が満足すれば評価される | 給与を支払うのは 会社。成果は「健康支援(産業保健支援)が経営にどう貢献したか」で測られる |
上司は「保健師の専門性」を理解してくれているはず | 多くの管理職は業績と人件費、自分の実務で頭がいっぱい。健康支援のROIが見えなければ優先度は下がる。 上司のほとんどが、産業保健の知識がないし、産業保健師の評価の仕方もわからない。 |
感謝の言葉=成果 | 感謝はあくまで付随価値。数字・改善効果が示せて初めて評価対象になる |
産業保健師自身もそれを誰からも教えてもらえないことや、そもそも従業員から感謝されることがモチベーションになって看護職についている方が多いので、目の前の従業員を助けてあげることに重点を置いてしまい、全体感を見れていない産業保健師も多いです。



目の前の従業員を助けてあげることは悪いことではないのですが、
会社視点&上司視点が抜けている場合は独りよがりになってしまいがち。
会社と上司が “本当にほしいもの” を知る


では、会社と上司が何を欲しているのか?を理解することが大事です。
一般的には、以下の4つの視点で会社や上司が求めているものを聴取していくことがおすすめ。
- 法令遵守
- 労基署対応や労働安全衛生法周りの対応、適切な法令の履行&実施率向上
- リスク低減とコスト削減
- 休職者・労災・医療費の削減を示すデータ
- 生産性の向上
- エンゲージメント指標、プレゼンティーズム改善など「業績につながる健康」
- 業界内でのブランド力
- 健康経営優良法人取得、SDGsレポートへの寄与 ――PRネタは経営層の大好物



上司や会社が何を産業保健師に求めているのかは、
上司に直接聞いてみましょう!
それがいちばんの近道です!
“求められる人材” になる5つのマインドセット


産業保健師が、所属する会社で“求められる人材” になるには、以下の5つのマインドセットが重要です!
- 顧客=会社・上司 と再定義する
- 成果は数字で語る
- 例:再休職率 ◯%→△%、医療費 ◯円削減 …など
- 「上司の悩み」を健康支援(労働衛生面から支援)で解決する
- 人員不足・離職率・長時間労働・在職死亡・労災 etc.
- 先に信頼残高を貯める
- 小さな改善案を即実行&報告→「任せても大丈夫」を獲得
- Win–Win–Win を描く
- 会社 ・ 従業員 ・ 自分 の三方良しを常にセットで提案



この5つのマインドセットが抜けている場合、
いくら頑張っても頑張りの方向性が間違っている可能性が
あるので、評価もされず、給料も上がらず、次の転職先へも
成果をアピールすることができません。
信頼残高を増やして、自己実現の土台を作るアクション!6つのステップ


所属する会社で“求められる産業保健師としての人材”になるためのマインドが理解できたら、次は、具体的な自己実現の土台を作るための以下の、6つのステップを実践してみましょう!
ステップ | やること | コツ |
---|---|---|
① 現状把握 | 離職・休業・労災など経営指標を棚卸し | 数字は必ず「前年対比」を入れる |
② 上司ヒアリング | 「困っている上司や会社の課題は?」を質問 | 10分で終わる簡易インタビューを複数回 |
③ クイックウィン設計 | 早期に効果が見える施策を優先 | 例:休職フォロー体制の標準化 事後措置マニュアルの整備 |
④ 効果測定 | Before–After で数値化 | グラフ・インフォグラフィックで視覚化 |
⑤ 成果報告 | 月次レポート+1on1での報告 | 「結論→根拠→次の提案」の順番で説明 |
⑥ 新しい挑戦へ | 空いたリソースで “やりたい企画” を提案 | 既に得た信頼残高をレバレッジする |



現実は、⑥まで一気に進むのではなく、
①〜④を1年以上繰り返し実行して、信頼貯金を増やし、
成果報告を必ず行いながら、⑥の新しい挑戦ができるタイミングで
すぐに提案できるように、やりたい企画を準備して寝かせておくというイメージを持っておくと良いです!
“やりたいこと” を実現する3つの仕掛け


では、信頼残高もたまり、やりたいことが実現できそうな土台がつくらたら、次は、“やりたいこと” を実現するための3つの仕掛けを意識して、周りを巻き込んでいきましょう!
- ロードマップ提示
- 短期 (3 か月)・中期 (1 年)・長期 (3 年) の3段階で提案
- KGI ⇄ KPI 連動
- 例:KGI=休職率▲2% → KPI=ラインケアでの理解度テスト合格率95%
- キーパーソンを巻き込む
- 人事・産業医・管理職など “キーパーソン” と共同でチームとして企画を進めていく



例えば、健康経営の場合は、社長の理解(トップダウン)で
施策を進めていく方が一気に進みます。
その土台作りがない状態では絶対にうまくいきません。
まとめ


今回は、「貢献先」と「自己実現のための土台」について、産業保健師に必要なマインドと実際の具体的なステップをご紹介しました。
- 第一顧客は会社・上司
- 成果=数字と事実で語る
- 先に会社の課題を解決することで、自分の企画が通る
上記、3つの視点は、産業保健師の努力の方向性を間違わないために大事な視点でもあります。
従業員の笑顔に直結する健康支援は素晴らしい仕事です。
ですが、あなたが最大限の価値を発揮し続けるためには「会社と上司を喜ばせる」という土台作りが先。その土台の上でこそ、“本当にやりたいこと” が思い切り花開きます。
産業保健師に必要なマインドと成果に繋がる具体的ステップを行い、会社から求められる産業保健師になっていきましょう!
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最後までお読みいただき、ありがとうございました!これからも産業保健師としての成長を応援しています!